2016年7月21日木曜日

~平凡で平和な世界~ⅩⅩⅠ

そこから一か月ほどたって。
「平野君。明日からだよ。もうそんな時期になっていたんだね。」
「ホント。時が進むのって早いよな。ところで、準備もう終わった?」
「実は全然やってない。」
「え、西原さんそれまじ?」
「そうなんだよねーでも準備ってそんな時間かからないでしょ???」
この人当日になったなんか忘れ物してそうだな。

そして次の日。
「はい皆さん今から現地までバスで向かいます。忘れ物がないようにお願いします。」
と言うことで車内。ウッキウキな気分で来たものの、
(話すことがない。)
しまった。事前になんかネタ考えてくればよかった。
そんな後悔をしていると、西原さんが口を開いた。
「平野君・・・」
バッグの中を見ながらなのやら深刻な表情の西原さん。ここで思い当たるのは一つしかない。
「え、もしかして忘れ物?」
「そうじゃなくて・・・酔いそう・・・」
よく見ると顔も真っ青だ。
「先生西原さんが気分悪そうです!!」
先生も心配そうに聞く。
「西原さん酔い止めは?」
「忘れました・・・」
ここで忘れものかよっ!!一番悪いフラグ回収だな!!
前の席は・・・
「・・・くー」
二人ともぐっすり寝てるな!!まだ出発して十分もたってねえぞ!
じゃあ斜め前の人!さすがに寝てないだろっ!!
「うわっ...きっつ・・」
「俺も・・・」
二人ともノックダウンかよ!!
「先生斜め前の二人もきつそうです!!」
とりあえず水を飲ませて落ち着かせた。


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